一般社団法人町田青年会議所 2014年度 理事長所信

小峰 健嗣

 1949年9月、荒廃し苦難に満ちた戦後、私達の先輩方は、「社会への奉仕」「個人の修練」「世界との友情」の三信条を基盤として、48名の同じ志を持つ仲間と共に「新日本の再建は我々青年の仕事である。」との使命感をもって、青年会議所運動の灯が、この東京に燈りました。そして、この創始の精神を引き継ぎ町田市の志高くそして勇気ある青年が集い、幾多の苦難を乗り越え1967年11月、町田青年会議所を設立しました。

 青年会議所の運動は戦後からの歴史において常に積極的な社会変革運動を継続してきました。諸先輩方が貴重な青年期に情熱を注ぎ、青年会議所でしか得られることのできない経験をし、そして日々成長しながら取り組んできたその運動の成果は、我々の財産として継承されてきました。私達は受け継がれてきたその成果をしっかりと継続し、『明るい豊かな社会』を目指し更なる効果を求めた新たな運動を推進させ、次代へと引き継いでいくべきであると考えます。

 私達は日頃多くの「つながり」の中に身を置いて生活しています。人とのつながりはもちろん、過去から未来へのつながり、そして命のつながり、全てはつながっています。私達の青年会議所運動は地域社会の一員として、地域を想い、地域を大切にし、「つながり」と向き合うことで地域への最良の変化を生み出すことができると信じています。過去から学んだことに検証を重ね、次代へつなげること、そして、周りに活かされていることに感謝し、周りを活かすことへ助力できることへの歓びが、個々の「輝き」となります。その個々が発する多種多様な「輝き」をつなぎ合わせることで、眩い光をもち、その光で地域を輝らし、そして素晴らしい未来へと導くことができるのです。

 また、我々町田青年会議所が持つ豊富なネットワークを最大限活用し、さらに歴史と伝統を継承し、「つながり」を「輝き」に変えそして、その眩い「輝き」によって人の『心』を動かし、愛する地域の輝く未来に向けて、全身全霊を注ぎ様々な運動を展開してまいります。

 町田青年会議所は、様々な事業を通じて『明るい豊かな社会の創造』を目標として日々運動しています。しかしながら、その明るい豊かな社会とは、一日さらには一年でできるものではありません。恐らくは永遠に続くものと考えます。物事の探求に終わりはありません。我々は常により良きものを追及しなければなりません。そのためには、我々町田青年会議所会員全員が明るい豊かな社会を目指すと同時に、生涯にわたって地域社会に役立てる人財であり続けるため、日々精進し自身を高めていくべきだと考えます。

 我々の住む町田には、他の地域にない多くの素晴らしい資源があります。しかしながら、我々はその価値を十分に理解し、自分達の地域の魅力として充分な発信ができているでしょうか。地域の宝となる資源を我々地域住民が十分に理解し、その価値を共有し磨いていく事で、人が惹きつけられる魅力ある地域へと成長していくのだと考えます。

 私達の愛する町田には宝と成り得る原石が、スポーツ・食・自然・文化等あらゆる分野に秘められています。自分達の地域の宝を、自分達で磨き、光輝かせることで、地域を元気づける自信と誇りを市民に芽生えさせることができると確信します。地域資源を最大限活用して、町田の元気を創出し、魅力ある町田づくりに寄与します。

 我々は青年会議所会員であると共に地域社会、企業、すべてにおいて指導者としての役割を担っています。組織には必ず指導者の存在が必要です。指導者となるには『学び』が必要です。歴史から学び、人から学び、自身の経験から学び、世界から学ぶ。そして、何事にも弛まぬ努力で実直に前進して行くことにより、その『学び』が自身の真の力となり、更なる「輝き」を放つことができ、その「輝き」で周りを包むことができるのです。

 自身のためだけに前に進もうとするのではなく、仲間の為誰かの為、自らを奮い立たせさらに前に突き進む、その精神こそが指導者としての本質であり、多くの気づきの源であり、より大きく成長できるのです。そして、そうなることが敬服される『心』をもった指導者への第一歩になるのです。

 この地域には数多くのまちづくり団体があり、多方面に渡り活躍されております。各諸団体は、各々の活動を通じて地域に貢献し、住みやすいより良い社会の構築を目指しており、その一翼を担う団体として我々町田青年会議所も日々運動をしております。この各諸団体の活動はその多くが別々に行っておりますが、目指す先はこの地域をより良くしたい、活性化させたいといった同じ目的だと思います。それぞれの特性を活かし、それぞれの手法でまちづくりを行う事ももちろん必要ですが、時には町田青年会議所と各諸団体が今まで以上に手と手を取り合い、更に連携を深める事で今までにない力を発揮できると考えます。そこから行政や市民とのネットワークをより深く構築でき、住みやすく活気溢れるそして誇れる地域に変わると信じております。

 ここ数年、私の幼少時代には考えられなかった『いじめ』の話を聞きます。子ども達が近くに遊びに行くだけであっても親は心配してしまう。さらには、目を覆いたくなるような悪質な青少年犯罪が発生しています。何故このような時代が訪れてしまったのでしょうか。今、子ども達に何が足りないのでしょうか。またその足りない何かとは子ども達だけのものなのでしょうか。

 『心』の教育が子ども達に足りないと考えます。そして子ども達への『心』の教育は大人達が行うものだと私は考えます。『心』の教育は家庭、学校、隣近所と普段の生活においてどこでも受けられるはずです。しかし、そんな『心』の教育ができる大人がいつしか少なくなってきているように感じます。『心』の教育は学力と違い、いくら勉強しても身に付ける事は出来ません。身に付ける為には子ども達に人を思いやる『心』や、相手の立場になって考える『心』、そして助け合う『心』など、多くを日常生活の中で大人が背中で見せ、そして体験させ、子ども達が理解をしてこそ身に付く事だと思います。そうすることが、子ども社会の問題の解決への第一歩となり、次代を担う『心』を『より魅力ある心』へと導いていけるのではないでしょうか。

 子ども大人にかかわらず人は相手を想い行動することで、飛躍的に成長できます。日本には『おもてなしの心』という言葉があります。『おもてなし』を考えたときに頭に浮かんでくるもの、それは『人』です。人が人のために有意義な時間を提供することを『真剣』に考え、そして行動することが『おもてなし』であり、その『おもてなしの心』が、自然と人の『心』を動かしていくのです。そして自身の為に動いてくれた『心』を感じたとき、その人の『心』は豊かになります。これが『心』と『心』が相互成長する瞬間です。

 青年会議所会員自身は様々な経験をします。そしてその経験から大きく成長することができ、その成長のチャンスは町田市内に限らず、日本全国、そして世界へと広がっています。そのチャンスを生かし様々な世界に参画し、世界中の人々と交流を持ち、より素晴しい魅力のある『心』を育んでいきましょう。そうなることで、その『心』の集合体である青年会議所が自ずとより魅力ある団体に変化していくはずです。

 町田青年会議所は47年という長い歴史があり、素晴しい伝統があります。しかしながら、まだまだ地域住民の中には青年会議所を知らない、聞いたこともないと言う多くの人々が存在するのも事実です。どんなに素晴しい事業を展開していても、周知できなければただの自己満足です。魅力ある『心』を持った青年が、人を想い地域を想いそして真剣に議論し、光り輝く眼差しで未来を見据えた、素晴しい町田青年会議所の素晴しい事業であれば、もっと多くの地域住民を巻き込むことができるはずです。そして地域住民がその魅力を感じ取った瞬間こそが、最大の青年会議所運動発信だと考えます。また、そうすることが『心』を変え、人を変え、地域を変え、より良い未来を創ることにつながります。

 『明るい豊かな社会』を創造するためには、会員拡大は最重要事項です。いかなる時も、組織として力強く前進していかなければ『明るい豊かな社会』は創造できません。そのために愛する我がまちに対する溢れる想いを熱く語り続けることができる会員を一人でも多く増やし、組織を強固にしていき、『明るい豊かな社会』に向けた大きな一つのベクトルを創ることが必要です。

 魅力ある団体、魅力ある会社、そして魅力ある人間には必ず人が集まります。だからこそ、より多くの考え方を知り、より多くの意見を知り、より多くの人間と切磋琢磨し、より多くの経験を積み、そして語り合い、魅力ある青年に成長しましょう。それこそが町田青年会議所会員数が100名を超え更に同志が増え続けるための礎となります。

 固定観念を捨て、あらゆる可能性に挑戦し会員拡大に邁進して行き、『明るい豊かな社会』に向けた強固で強大なベクトルを創っていきましょう。

 我々町田青年会議所が、素晴しい運動を地域に展開していく為には、組織が円滑に上手く運営されないことには成し得ないことであります。組織全体の意思疎通を常に図り、組織のルールをメンバー一人ひとりが共有していくことが、円滑な組織を創る上での鍵と言っても過言ではありません。

 組織には、基本的なルールに則った効率的な会議運営、組織内を円滑にするコミュニケーションが必要不可欠です。また、メンバー一人ひとりの連帯意識を醸成し、メンバー一人ひとりが組織を創り上げているという主体的な意識を浸透させることが、円滑なる組織変革の第一歩と考えます。

 町田青年会議所という組織全体が意識を共有して、足並みを揃え、お互いを思いやる『心』をもち、永遠に途切れることの無い友情で結ばれることができれば、どのような困難に見舞われても、町田青年会議所という団体を正しい方向へ展開できる組織になると信じ、我々はその組織構築を目指し邁進していきます。

 世界から見た日本は、揺ぎ無い「大国」であると同時に、小さな「島国」です。ではなぜ小さな島国日本が大国と呼ばれるのでしょうか。それはひとえに『人』です。その『人』である先人達が弛まぬ努力で、幾多の苦難を乗り越え、確固たる信念を持ち続けてきたという『歴史』が今の大国日本を創っているのです。そして我々青年の責務はその想いを継承し、より強い大国日本を創造していくことです。

 『資源がない国日本』、世界ではよく耳にする言葉ですが、本当にそうでしょうか。私はそうは思いません。私には他国に負けない素晴しい資源がこの日本に存在していると確信しています。それこそが、『日本人の心』を携えた『人』という資源です。

 この資源には『無限の可能性』という他の資源には無い『魅力』を持ち合わせています。この魅力ある資源を増やし、そして『歴史』という財産を最大限活用し、より良い資源を創造し、更なる大国日本を目指していきましょう。

 日本の中心と言われている、「東京」そしてその一部地域を担っている町田市。そこで運動する我々町田青年会議所会員が、自身の心を磨き、頭脳を磨き、我々一人ひとりが『魅力ある資源』となり、地域住民の意識を変え、そして地域を変え、愛する町田をより良い地域へ創造していき、それが東京へ伝播し、東京がリーダーシップをとり、この日本が『魅力ある資源』をより豊富に持つ国へと導いていきましょう。

基本理念

仁義礼智信

基本方針

己を律し、利他の精神を育み、魂が通い合うひとづくり、まちづくりへの挑戦。

2014年スローガン 心学 〜魅力ある『心』が創造する地域の未来へ向けて〜

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